病気という名の先生

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牛乳は本当に栄養食品なのか?日本人の体質に合っているのか?私が牛乳を飲まなくなった理由

 

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 戦前はほとんど飲まれていなかった牛乳が、戦後、牛乳が給食に導入されるようになり私たち日本人の身近になりました。

 

子供の時に牛乳を飲んでお腹を壊したり、今でも、下痢になったりお腹が緩くなるから飲まないようにしている人もいるかと思います。

 

私も子供の頃から牛乳を飲むとお腹を壊すので、給食の時は同級生にあげていました。

 

しかし牛乳は世間では未だに「カルシウムを豊富に含んだ健康食品」として扱われています。

 

果たしてそうなのか?

 

私は違うと思います。

 

「牛乳は子牛が飲むものです」

 

今回は牛乳について詳しく書いていきたいと思います。

 

牛乳は牛の子供を育てるためのもの

 

 

私たち哺乳動物は、授乳期の間は母親の乳を飲んで成長します。

 

牛は牛の乳、人間は母乳で育ちますね。

 

そして離乳し、牛は穀物や草、人間は様々な食べ物を食べて栄養補給をするようになります。

 

人間のこの「様々な食べ物」の中に牛乳が含まれていますが、私たちは人間の乳は成長してから飲みませんよね?

 

牛だって飲みません。

 

普通に考えてみてください。

 

動物は他の動物の乳を飲みません。

 

身近な動物で例えると、犬は猫の乳を飲みませんよね?

 

こう考えると、自然の摂理を考えてみても、人間のしていることはおかしなことになってきます。

 

業者を介して他の動物の乳を飲んでいることになります。

 

牛乳は牛の子供を成長させるために存在しているのです。

 

さらに、人間の飲んでいるほとんどの牛乳は特別な加工をされており、牛の子供が飲んでいるフレッシュなものとは全くの別物です。

 

このことを踏まえた上で進んで行きます。 

 

 

 

ホモジナイズと高温殺菌

 

 

牛乳は人間の飲むものでは無いと述べましたが、新鮮な生乳には、色々な種類の酵素、免疫調整作用、抗酸化・抗炎症・抗ウイルス作用があるといわれている「ラクトフェリン」が含まれています。

 

今ほとんどの家庭で飲まれている牛乳には、これらの栄養素は含まれていません。

 

なぜなら、牛乳を加工する段階でそれらの栄養は失われてしまうからです。

 

市販の牛乳が作られる過程を説明します。

 

最初に搾乳をします。

 

写真は手で絞っていますが、現代では吸引機を使って搾乳が行われているのが一般的です。

 

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搾乳されたミルクはいったんタンクに溜め、各農家から集められたそのタンクのミルクをさらに大きなタンクに移し替えます。

 

そしてそれをホモジナイズ」するのです。

 

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、ホモジナイズとは英語で「均質化する」という意味で、何を均質化するかというと、生乳に含まれる脂肪分です。

 

生乳には約4%の脂肪分が含まれており、「脂肪球」という小さな粒として存在しています。

 

脂肪球は大きい程浮上しやすく、ホモジナイズされていない牛乳を何日か放っておくと、脂肪球がクリーム状になって浮いてきます。

 

私が昔ハワイに住んでいた時の話ですが、牛乳を買って冷蔵庫にしまっておくと、1週間も経たないうちに牛乳の表面がクリーム状になってくるのです。

 

日本の牛乳ではそのような現象を見たことがなかったので、その時のことは疑問に思ったままにしていましたが、ホモジナイズの事を知ってからこの謎が解けました。

 

ホモジナイズされていない牛乳は牛乳のナチュラルな味を楽しめますが、舌触りは悪いので料理には使いづらく、ホモジナイズをして生乳に含まれている脂肪球を細かくすることで、脂肪が浮いてくるのを防ぎ、舌触りの滑らかな牛乳を作ることができるのです。

 

機械の無い時代には、ホモジナイズは人の手によってかき混ぜられて行われていましたが、現代では「ホモジナイザー」という機会を使って、圧力をかけたり、超音波を利用して脂肪球を均質化します。

 

こうして作られた牛乳を「ホモ牛乳」、ホモジナイズされていないものを「ノンホモ牛乳」といいます。

 

料理にも使いやすく、舌触りの滑らかな牛乳なので一見良さそうに思いますが、栄養面に関しては最悪です。

 

生乳をホモジナイズする過程で、生乳に含まれている乳脂肪は酸素と結びつき、「過酸化脂質」となってしまいます。

 

過酸化脂質は体内の血管に付着して血管に留まり、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などの原因になったり、それが皮脂となって皮膚に影響を与え、皮膚トラブルを引き起こす可能性もあります。

 

過酸化脂質とは「錆びた脂」なので、からだに良いはずがありませんね。

 

さらに均質化処理の過程では生乳に含まれているビタミンD・Eも失われてしまいます。

 

ホモジナイズをした後は、「殺菌」です。

 

牛乳の殺菌方法には大きく分けて4種類あります。

 

  • 低温保持殺菌法(LTLT)ー 62~65度で30分加熱して殺菌する方法。もっとも古くから行われてきた殺菌法です。この殺菌法で作られた牛乳が一番搾ったばかりの成分に近いです。

 

  • 高温保持殺菌法(HTLT)ー 75度以上で15分間以上加熱し殺菌する。

 

  • 高温短時間法(HTST)ー 72度以上で15秒以上加熱し殺菌する。世界で最も一般的に行われている殺菌方法。

 

  • 超高温短時間殺菌法(UHT)ー 120~130度で2~3秒間または150度で1秒間加熱し殺菌する。ほとんどの菌は死滅するので、長期保存に向いています。

 

IDF(国際乳業連盟)は、上記の殺菌法を、スツーリゼーション(パス乳)」「ステアリライゼーション(UHT乳)」という2種類の熱処理法に国際的な定義として分けています。

 

2つの定義を説明すると、

 

  • パスツーリゼーション(pasteurization:低温殺菌法):生乳の化学的・物理的変化(栄養・性質)と、味や色などの官能的変化が最小となるよう熱処理を加え、病原微生物の危険性を最小にすることを目的とした熱処理方法。
        できるだけ生乳に近い品質を保つようにするということですね。
 
  • ステアリライゼーション(sterilization:滅菌):100度以上の熱を加えて全ての微生物を死滅させ、微生物の増殖を抑制することを目的とした処理。

 

LTLTとHTSTで処理された牛乳が「パス乳」、UHTで処理されたものは「UHT乳」と呼ばれます。

 

日本で流通している9割以上の牛乳は超高温短時間殺菌法で製造されていますが、北欧、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの酪農先進国ではHTSTによる加熱処理が一般的です。

 

IDF(国際乳業連盟)の基準によると、超高温短時間殺菌法によって処理された牛乳は、「輸出用、航空機の機内食用、宇宙飛行士の食事のためなどの保存用牛乳」、日常で毎日飲む牛乳ではないのです。

 

酪農先進国では、超高温で殺菌された牛乳は一般市場には流通していないので、一般の消費者が飲むことはありません。

 

高温で殺菌することにより、生乳に含まれていた酵素や善玉菌、ビタミンも失われてしまいます。

 

過酸化脂質の量は増え、タンパク質も加熱をすることによって熱性変質をし、アミノ酸の一部も減ってしまい、さらに、先に述べたラクトフェリンも熱に弱いため失われてしまいます。

 

日本で流通している9割の牛乳は、このように様々な処理の過程を経て栄養が抜け落ち、酸化してしまった質の悪い牛乳なのです。

 

私がハワイにいる時に飲んでいた賞味期限が短く、すぐにクリーム状になってしまう牛乳は、日本の物よりも自然に近い牛乳だったから起こった現象だったのです。

 

では、なぜ日本では栄養価の無いものとされている高温加熱処理によって作られた牛乳が一般的なのでしょうか?

 

大きな理由の1つは、メーカーが儲けるためです。

 

30分加熱するのと3秒加熱するのとでは、コストと時間のかかり方が大きく違いますし、時間を短縮することで効率よく生産できるようになります。

 

低温殺菌牛乳は、原乳の質も良くなければならないため、牛の飼育コストも高くなり、長時間加熱するコストも含めてどうしても牛乳の値段が上がってしまいます。

 

高温で一気に殺菌することで、多少原乳の質が悪くても、ごまかすことができるのです。

 

酪農先進国にとって牛乳は貴重な栄養源だったので、栄養を保持したままの加工法が発達しました。

 

しかし日本で牛乳が飲まれるようになったのは戦後からで、それ以前の日本人に牛乳を飲む文化はほとんどありませんでした。

 

牛乳が栄養源としてさほど重要ではないために、日本の大手乳業メーカーは利益追求に走っているのでしょう。

 

栄養素が何もないカスのような牛乳が学校で当たり前に支給されていると思うとゾッとします。

 

私は学校の牛乳が嫌いで仕方なかったので、今思うとからだが自然に拒否をしていたのだと思います。

 

ちなみに宮内庁と天皇家では低温殺菌で作られた牛乳が飲まれているようです。

 

 

 

赤ちゃんは人の母乳で育てなければならない

 

 

牛乳と母乳を比べてみると、同じような栄養素が共に含まれています。

 

だからといって牛乳を加工して作られた粉ミルクがいいとは思えません。

 

牛乳と人の母乳では栄養素の質も量も全然違うのです。

 

牛乳に含まれているタンパク質の主成分は「カゼイン」といい、このカゼインは胃に入るとすぐに固まってしまい、消化がとても悪いです。

 

胃の中で固まってドロドロとした物質に変わったものを「カード(curd)」といい、これは腸に入ると腸の内壁にへばりつき、栄養分が体内に吸収されるのを妨げます。

 

さらに、牛乳を消化する際にできる副産物が超酸性物質で、これをからだが処理するには多くの酵素を消費してしまうし、処理に時間がかかるため、からだに長い間滞留することで腸内環境も悪化し、からだに様々な害を及ぼすのです。

 

牛乳にはこのカゼインが母乳の3倍含まれており、これは牛という大きな動物の巨大な骨を発達させるためです。

 

牛は4つの胃を持っていますが、これによって、消化の悪いカゼインも処理することができます。

 

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牛乳には免疫機能を高める、抗酸化物質「ラクトフェリン」が含まれていますが、この含有量は、牛乳よりも母乳の方がはるかに多いのです。

 

牛乳に含まれるラクトフェリンの割合が0.01%に対して、母乳には0.15%含まれています。

 

同じ乳でも種が違うと、成長するのに必要となる栄養素の量も違ってくるのです。

 

「民衆のための医師」と呼ばれたアメリカのロバート・メンデルソン博士は自身の著書「How to Raise a Healthy Child in Spite of Your Doctor 」の中で、

 

「母乳で育てることによって、体と心が健康に成長するための基礎が作られる。母乳は何百万年もの歴史に耐えてきた完璧な食べ物であり、赤ちゃんにとって自然が与えてくれた最高の栄養分である

 

と述べています。 

 

忙しい現代に合わせて私たちのライフスタイルも変わってきましたが、私たちも動物であるので、赤ちゃんを育てる時はできるだけ自然に従った育て方をしましょう。

 

 

 

赤ちゃんのうちは乳糖を分解できる

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日本人と牛乳に関する問題でよく話題に上がるのが「乳糖不耐症」です。

 

これは、牛乳などの乳製品を摂取した際に、牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が不足していて、うまく乳糖をからだのなかで分解することができず消化不良や下痢などの症状が起こってしまうことです。

 

牛乳を飲んでお腹がゴロゴロする人がそうです。

 

長い間牛乳を飲む文化のなかった日本人は、成人の85%が、乳糖を分解する酵素であるラクターゼが不足しているといわれています。

 

それでも私たちは3歳の時まではからだの中に母乳の乳糖を十分分解できるだけのラクターゼを持っていました。

 

3歳までにほとんどのラクターゼは消失してしまうのですが・・・

 

母乳には7%の乳糖、牛乳には4.5%の乳糖が含まれており、母乳に含まれる乳糖の方が実は多いのです。

 

乳児の時はラクターゼをもっていて、牛乳より多くの乳糖を含む母乳を飲むことができた人間が、成長してからその酵素を失うということは、大人には乳が必要ないという「自然の摂理」だと思います。

 

先ほど述べたラクトフェリンも同じで、ラクトフェリンは胃酸に弱いので、大人が加熱されていない牛乳や母乳を飲んでも胃酸で分解されてしまいます。

 

赤ちゃんが母乳からラクトフェリンをしっかりと吸収できるのは、胃が未発達で胃酸の分泌が少ないからです。

 

子供の時にはしっかりと栄養として様々な恩恵を得ることができた母乳も、大人になってしまえば栄養を吸収することすらできなくなってしまいます。

 

人の乳ですら意味がなくなってしまうのに、牛乳は栄養食品として摂取する意味がありません。

 

しかし牛乳がどうしても好きな人がいるのもわかります。

 

牛乳がどうしても好きな人はタバコと同じで、あくまで嗜好品としてとらえましょう!

 

こちらは「なかほら牧場」さんのサイトで、1年中放牧され、無農薬で作られた草を食べて育った牛から搾った乳を、63~65度の低温殺菌・ノンホモで加工した牛乳や、その牛乳から作られた乳製品を売ってるのでせっかく飲むなら質の良い牛乳を飲みましょう。

 

通年昼夜放牧!山地酪農の自然法牧場『なかほら牧場』

 

 

 

 牛乳を飲むと骨粗鬆症になる可能性が高くなる?

 

 

 

最後に最も一般的にいわれている世間の常識として、牛乳はカルシウムを豊富に含んでいるので、骨を強くする」という考え方があります。

 

たしかに牛乳には豊富なカルシウムが含まれていますが、それが正しく栄養としてからだが吸収できるとは限りません。

 

牛乳を飲むことによってカルシウムが失われているのではないかという説があり、これを「カルシウムパラドックス」といいます。

 

人間の血中カルシウム濃度は、9~10mg(100㏄中)を常に保っていますが、牛乳を飲むことによって血液中のカルシウム濃度は急激に上昇します。

 

これにより一見カルシウムが多く吸収されたと思いますが、からだは急激に血中カルシウム濃度が上がった事により、カルシウム濃度を通常値に戻そうと恒常性コントロールがはたらきます(人間は恒常性の生物なので)

 

この時にからだは血中に余分にあるカルシウムを腎臓から尿に排出してしまうのです。

 

そして、カルシウムをからだの外に出し過ぎてしまい、その際にカルシウムを補うために、自分の骨を溶かしてカルシウムを補うといわれています。

 

「そして骨がカルシウム不足となって骨粗鬆症になってしまう」という説です。

 

牛乳による健康リスクに関する研究は色々な国で行われており、「医学不要論」で有名な内海聡氏は著書「医者いらずの食」で、

 

「ハーバード大学で7万8000人の女性を対象に12年間追跡調査を行った結果では、乳製品を摂取するほど骨折が多く、大腿骨頸部骨折の増加の危険度は乳由来のカルシウムに関係している」

 

「イエール大学の研究では、骨粗鬆症は乳製品や肉を最も多く摂取するアメリカ、スウェーデン、フィンランドに最も多い」

 

と述べています。

 

北欧やアメリカなどの酪農国が他国と比べて骨折しやすい理由は、日照時間が短くてビタミンD(カルシウムの吸収を助ける)が不足したり、からだが大きいことによる骨折のリスクなど、他にも原因があるかもしれません。

 

しかし、牛乳をたくさん摂取している酪農国の人々に骨折が多いというのは、「牛乳が骨を強くする」という考え方に従って考えてみるとおかしいですよね?

 

統計が100%正しいとは言いませんが、事実は事実なので、わざわざ牛乳からカルシウムを摂取して骨折になるかもしれないリスクを取らなくても、私たち日本人は昔から小魚や海藻類からカルシウムを得ていました。

 

カルシウムが豊富に含まれている食材は他にも、緑黄色野菜、昆布類、生のナッツ類、そして「カルシウムの宝庫」といわれているゴマがあります。

 

和食にはゴマが使われている料理も多く、先人の知恵にはいつも驚かされます。

 

 

 

まとめ

 

 

私たちは乳幼児の時は乳糖を分解でき、ラクトフェリンを効率よく吸収することができますが、離乳をしてからほとんどの日本人はからだが乳糖を適切に処理することができなくなります。

 

それはつまり離乳後はからだが乳を必要としていないことになります。

 

牛も同じで、牛も離乳をします。

 

 それなのに人間は牛の乳を飲みます。

 

昔から牛乳を飲んできた国の人々は、成人してからも乳糖を分解することができますが、私たち日本人の食生活に牛乳が加わったのは戦後以降です。

 

それまでほとんどの日本人の人たちは牛乳を飲んでこなかったわけですから、からだもうまく処理しきれるはずがありません。

 

人間の母乳ですら必要なくなるのに、違う動物である牛の乳をからだが適切に処理できるはずがありません。

 

それをさらに加工し、牛乳に含まれる栄養素が消滅した質の悪い牛乳が一般的には売られています。

 

ホルモン剤や抗生剤の心配もあります。

 

牛乳を健康のための栄養食品として飲んでいる人は、他の食品からも栄養を摂れるので、栄養食品として飲まれることはおすすめしません。

 

カルシウムを豊富に含む食材は日本にはたくさんあります。

 

それでも牛乳が大好きという人は、飲む頻度を減らし、タバコやお酒などのように嗜好品として飲みましょう。

 

それと、牛乳はとても消化が悪く、他の食べ物組み合わせると腸の中に長い時間食べ物がとどまってしまいます。

 

牛乳はお腹が空っぽの時に単体で飲むようにしましょう。

 

こちらの牧場では63~65度の低温殺菌・ノンホモで加工した牛乳や乳製品を売っているので、どうしても牛乳が好きな方はチェックしてみてください。

 

通年昼夜放牧!山地酪農の自然法牧場『なかほら牧場』

 

 牛乳を飲むならしっかりと質にこだわって飲むようにしましょう。

 

 

 

あなたの健康を願っています。