病気という名の先生

潰瘍性大腸炎になり健康に目覚め、医者に頼らずに生きていく事を決心

難病(潰瘍性大腸炎)と海外生活(カナダ)体験記11~海外での試合~

 

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今回はこちらの記事の続編になり、カナダでの試合経験を書きたいと思います。

 

www.muscle-samurai.xyz

 

これは病気になってからの出来事で、自分の中でかなり自信となる経験となったので、興味のある方は読んでもらえたら面白いと思います。

 

突然の柔術大会への参加

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練習をカナダのバンクーバーで始めて2週間ぐらいしてからコーチに、「今週柔術の試合に出てみないか?」と試合3日前ぐらいに聞かれ、カナダに来る前は準備で忙しく練習できていなかったために、身体がまだいつでも試合できるような状況ではなかったのですが、「これはいい経験になる」と思い、試合に参加することにしました。

 

ちなみに私がその時に通っていたジムでは柔術のクラスはなかったのですが、そのジムの中で一番強い選手が出るというので、柔術経験のある私も参加することになりました。

 

ちなみに柔術というのは柔道のように道着を着て試合をし、立ちから始まるのですが、投げたりして倒した後も地面での寝技の闘いが続きます。

 

話に戻ります。

 

柔術着を日本から持ってきていなかったのですが、上部に貼ったリンクの記事でも書いたように、コーチがこの試合のために、高いブランドの柔術着を買ってくれました。

 

普通は試合3日前だと登録が遅すぎて参加できないので心配だったのですが、そこは「俺の力で何とかする」と言われたので信じました笑

 

まさかカナダに来て1ヶ月以内に試合することになるとは思っていませんでした・・・

 

 

 

海外での初の柔術の試合

 

 

バンクーバーではかつてオリンピックが行われて、その時に会場として使われたオリンピックセンターが今も競技場として使われています。

 

ここが今回の試合の会場として使われました。

 

場所はバンクーバーのリッチモンドという場所です。

 

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色々な競技場に行きましたが、今までオリンピックセンターには入ったことがなかったので、設備の凄さに驚かされ、オリンピックの凄さを改めて思い知らされました。

 

写真は撮ってませんが、ロッカールームに感動したのを覚えています。

 

競技スペースはとても広く、綺麗でした。

 

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 最初に選手は会場内を行き来できるようにパスをもらいに行くてめ、選手の本登録を済ませなければなりません。

 

3日前のエントリーで本当に参加できるのかだけが心配でしたが、なんとか登録してパスを受け取ることができました。

 

この大会では一度に色々な格闘技の競技が行われていて、柔術、キックボクシング、MMA(総合格闘技)それにリッチモンドは中国人の多い街なだけあって、中国拳法のパフォーマンスも行われていました。

 

これはMMAの試合の時に撮った写真です。

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アウェイでの試合

 

 

私は柔術の青帯の部に参加したのですが、たくさんの競技が行われているため、かなり待ち時間があると思ったら、私のプログラムは最初の方で、準備運動する時間も、緊張する暇もなく試合が始まりました。

 

私の階級は16人のトーナメントだったので、4回勝ち抜かないと優勝できません。

 

体重別なのですが、かなり体重がアバウトで、準々決勝では190センチぐらいはあったであろう巨人と対決しましたが、何とか一本勝ち(判定勝ちではなく技を極めて勝つ事)で勝つことができました。 

 

私と反対ブロックのアジア系の選手が一本勝ちで勝ち上がっていき、お互いに決勝で闘う事になるだろうと思っていましたが、ここでおかしな事が起こりました。

 

普通は試合が終わったら、休憩のために何試合か他の階級の試合を挟んだりして準決勝や決勝前などの試合間隔が短い時でも選手に休憩の時間があるのですが、準々決勝を勝ち抜いた私ともう一人のアジア系の選手は、準々決勝が終わってからすぐに準決勝の試合をしなければなりませんでした。

 

しかしお互いの相手側の選手は私たちよりも早く準々決勝の試合が終わって休んでいたので、体力が闘い終わった私たちと比べて回復しています。

 

そして私ともう一人のアジア系の選手は体力が持たずに負けてしまいました。

 

私たちの体力がなかったと言われればそれでおしまいですが、相手側との条件がフェアではありませんでした。

 

準決勝後に私とアジア系の選手が闘った選手たちが、今回の興行を主催しているジムの選手だということがわかりました。

 

私のコーチが怒って抗議してくれていたのは嬉しかったです。

 

しかし負けは負けですので、こういった時でも勝てる体力を付けとかなければと勉強になりました。

 

一応3位になったので、表彰はされましたが、「これがアウェイか」と感じました。

 

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私ともう一人の選手は3位になりましたが、もう一人選手は表彰の時に現れませんでした。

 

もちろんここで取ったメダルはジムに残していきました。

 

バンクーバーにいる間に得たものは、全てコーチに捧げようと思いました。

 

 

 

再び決まった試合

 

 

それから5ヶ月程して、コーチから再び「今度はノーギ(柔術着を着ないで闘う寝技の試合で、グラップリングとも呼ばれます)のトーナメントで試合してみないか」と言われました。

 

この時には毎日の肉体労働と自転車生活、そして格闘技のトレーニングによって身体は仕上がっていて、さらにジムで習った色々な技術を試合で試したかったのですぐにOKの返事をしました。

 

柔術着を来てない分スピードを生かせるので私はこちらの方が得意です。

 

そして当日になって会場に着いてみると、そこまで広くない会場にかなりの人数が入っていました。

 

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選手登録を済ませて待っていたのですが、予定では11時頃から競技が始まる予定が、実際に始まったのは1時頃でした。

 

もうこの時にはカナダでの生活にも慣れていて、時間通りに物事が進まない事にも寛容になっていたので問題はありませんでした笑

 

会場に着いたのが10時前で、私の試合が始まったのは確か夕方の4~5時ぐらいだったのでかなり待ちました。

 

イベントの進行も遅くて途中「本当に試合あるのか?」と思っていました。

 

やっと私の出るトーナメントが始まり、名前を呼ばれて試合をするマットの所まで下りてみると、そこにはイカツイくて筋肉ゴリゴリの選手たちが待っていました。

 

この時の私は髪も整えずにかなりだらしない見た目だったのと、アジア人が私だけだったので、私は他選手の眼中にはなかったと思います。

 

選手は私含めての6人のエントリーで、最初はトーナメントだと思っていたのが、全員総当たりのリーグ戦でした。

 

優勝の条件は一本勝ちを最も多くした選手で、1試合の時間が5分なので、他の5人全員と闘うと計25分となるので、なかなか厳しい試合になるなと思いました。

 

しかし、前回の柔術よりも私はこのノーギルールの方が得意なので、早く自分の力を試したくてうずうずしていました。

 

 

 

試合結果 

 

 

今回も「一応」体重の規定があったのですが、1人だけ異様にでかいのがいました笑

 

その人は連続で闘うペナルティが課せられました。

 

試合開始となり、私の試合の順番が来ました。

 

トーナメントの1試合目の時は大概緊張するのですが、今回も若干緊張していました。

 

1試合目の相手はかなり強くて、最初から1本極められそうになったのですが、試合の最後の方に私も極めかけたりして、かなり盛り上がりましたが、お互いに極めきれなかったのでドローで終わりました。

 

2試合目は私が一本極めて勝ち、とりあえず1ポイント。

 

3試合目に例の巨人との試合で、ここでもカウンターの三角締めという技で一本勝ちをし、ポイントを取りました。

 

このあたりから私の試合が注目されるようになりました。

 

もうこの時は私も楽しくなっていて、このまま突っ走ってやろうと思いました。

 

4試合目は筋肉の化身みたいな選手で、一本取れそうな体勢になっても力で防がれ、ドローで終わりました。

 

ここまでで、最初に闘った人と私が2ポイントずつ取っていて、次の最後の試合までどちらが優勝するかわかりませんでした。

 

そして5試合目で私が一本勝ちをし、もう一方の選手がドローだったので、私の優勝が決まりました。

 

私は寝技よりも打撃(パンチやキック)の方が得意だったので、この結果は私にとってかなりの自信になりました。

 

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メダルと優勝カップを渡され、 それからその中にお金を入れられた時は驚きました。

 

優勝賞金があることを知らなかったので、嬉しかったですね。

 

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日本だったら賞金は基本的に封筒で渡されたりするのですが、渡されたカップに現金を直接入れられたのが粋で、外国らしいと思いました。

 

最初は誰も私が優勝するとは思っていなかったと思うので、かなり気持ちよかったです。

 

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この時にコーチのフランコに、「あなたのおかげで優勝することができました。」と伝えたら、「俺は結果よりも、この瞬間をお前と共有できたことが幸せだ」と言ってくれ、私が病気で苦しんでいたのも知ってくれた上で言ってくれたのでとても嬉しかったです。

 

 ここで得たメダルもカップも、もちろん彼のジムに置いてきました。

 

全て彼のたくさんのサポートのおかげでこうやって優勝することができたので、勝つことが私にできる最大の恩返しだと思いました。

 

病気になって、医者に「格闘技をやめろ」と言われて、もこうやって海外に来ても格闘技をしているので、自分は格闘技がとことん好きなんだなと改めて思いました。

 

そして、普段は病気の症状はほとんどなく落ち着いてるのですが、今回書いた2つのトーナメントの前には少し症状が出てきて、この時に潰瘍性大腸炎はメンタル面に大きく作用されるんだなと思いました。

 

試合の前の緊張と恐怖感は、試合の数日前から自分で意識していなくても感じているので、心の底から闘いを楽しめるメンタルを作らなければと思いました。

 

それでも計25分間闘えるようになったことに自分で驚き、少しづつ病気がよくなっている事を感じました。

 

 

 

あなたの健康を願っています。